皆さんはスーパーで卵を買うときに何を基準に買いますか?
値段、サイズ、色、など、卵を選ぶときにつかう基準は人それぞれだと思いますが、実はスーパーで売っているニワトリの卵の色は、ニワトリの品種ごとに決まっています。
そのため、白い卵を産む鶏はずっと白い卵を産み続け、赤い卵を産む鶏は赤い卵を産み続けます。
野鳥に目を向けると、卵の色はオレンジ色であったり、青色であったりと様々です。
では、卵の色が種間で違う理由はなんでしょうか?実は最近まで、この疑問に対して答えを出した研究者はおらず、様々な仮説が議論され続けてきたのです。今回は最新の研究を紹介していきます。
この記事では、卵の色の不思議に迫ります。
興味のある項目を目次から飛んでくださいね。
卵の色を科学する
色が違うことに、何かメリットはあるのでしょうか。もし色に意味が無ければ、鳥の卵は白でいいように思えてしまいます。
この素朴な疑問に対して、アメリカのロングアイランド大学のフィリップらの研究グループは、地球全土の鳥類の卵の色のバリエーションを調べ、どのような要因が卵の色を決めているかを探りました。
フィリップたちは世界中の鳥の卵の色を測るために、自然史博物館の標本634種の卵の色を測定しました。
そして、鳥の種の地球全土のパターンとの関係性を調べてみると… 鳥たちが生息している地域と、卵の色がある程度対応していることがわかったのです!
卵の色を決める要因とは?
まず、気温と日射量が低い地域に住む鳥ほど、また、巣が開放的な場所につくられる鳥ほど、卵の色が濃くなることが明らかになりました。
つまり、寒く、日光で暖かくなりにくい場所ほど、黒っぽい色が有利になるようです。
この論文が出版されたのは2019年。
さまざまな議論がかわされています。
本当でしょうか?それを検証するために、フィリップ達は実験室でニワトリ、アヒル、ウズラの様々な色の卵に異なる光を当て、卵が孵化するまでの合計温度、孵化が可能な温度を維持する時間を調べました。
すると、それぞれの種で色の濃い卵の方が孵化に必要な暖かさを維持しやすいことがわかったのです。全世界の鳥の卵の色を分析した結果が正しいことが改めてわかったんですね。
しかし他にも、他にも湿気が重要だと考えられていたりと、さまざまな仮説がこれまで挙げられてきています。
とはいえ、長年の疑問であった卵の色が多様な要因解明にまた一つ進んだと言えるでしょう。
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