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アマツバメの生態図鑑 | 戦闘機の横を高速で飛びながら眠るときには、時速100キロで飛ぶ?

2022 10/23
野鳥図鑑
「あ」 日本 空中の鳥
2022-08-152022-10-23

鳥たちのなかには私たちが想像もできなほど高い場所で生活する種がいます。

その代表例はアマツバメ科の鳥類です。彼らは私たちの生活からはるか上空数千メートルを飛びながら生活しているのです。

その高さは、ジェット機や戦闘機といった飛行機が飛び回る高さとほとんど同じですから、驚くほかありません。

アマツバメの飛行速度は時速160kmを超えるとも考えられており、さながら飛行機のようです。

今回はそんなアマツバメ科の1種、日本で観察できる種「アマツバメ」の生態を、ヨーロッパアマツバメの研究をまじえながら詳しく紹介します。

目次

アマツバメの生態と特徴:入門編

アマツバメ | Pacific swift | Apus pacificus | アマツバメ目アマツバメ科アマツバメ属

レア度:☆☆☆☆☆☆★★★★(4/10:場所・季節が適切でも、あまり個体数が多くない)

見られる季節:夏(4ー9月頃)

見られる場所:主に空

見られる環境:高山帯や離島などの切り立った崖が繁殖場所

餌:昆虫食

アマツバメの全長は17–19cmで、体重は22–54gある世界で最も大きなアマツバメ科の1種です。

名前にツバメとついていますが、ヨタカやチドリに近いグループです。

全身が黒色ですが、腰だけが白色をしています。世界的に見ても黒色が強い種だとしても知られています。

アマツバメの尾羽は真ん中が強く切れ込んでおり、一見すると尖った2本の羽をもっているようにも見えます。

類似するヒメアマツバメはより小型で、尾羽の先端が角ばっていることから簡単に識別が可能です。

そんなアマツバメは夏は日本で、冬はオーストラリアで過ごす夏鳥の1種です。

高空を飛びながら、上昇気流によって上空に運ばれた昆虫などを食べながら生活をしています。

高速で高空を飛行するアマツバメの写真を撮影することは難しい。

アマツバメの生態

高空で生きる

アマツバメは日本の標高3,000mを超える高山の上を悠々と飛行します。

それどころか、驚くほど高い場所でもアマツバメ類の観察記録は得られています。

それは戦闘機の中です。アメリカ空軍のパイロットが戦闘機での飛行中に

群れで飛び回るアマツバメの群れと遭遇したとの記録が残っています
。

アマツバメにとって、高度3,000mで飛び回ることなど朝飯前なのでしょう。

それほど高い場所でも、上昇気流によって飛ばされた昆虫などが沢山飛んでいることが知られています。

そうした昆虫を餌として、アマツバメは生きているのです。

どこで睡眠をとる?

アマツバメは餌を空中で飛びながら探すと述べましたが、驚くことに、睡眠も飛びながらです。

先ほど紹介した戦闘機からの観察報告では、ジェット機にあまり反応をみせておらず

おそらく飛びながら睡眠している様子を確認したものだと考えられています。

近くを戦闘機が飛行しているのにわからないのか?!という点は疑問ですが、

高速で飛行するアマツバメを近距離で観察すると「バババババ」と羽先から激しい音が聞こえます。

もしかすると、その音の激しさ故にジェット機の音に気づかなかったのかもしれません。

また、それほどの高空で天敵に警戒する必要もないのでしょうね。

繁殖はどこでする?

アマツバメは空中で餌をとりますが、繁殖は陸地で行います。

巣は、切り立った崖の亀裂や隙間に穴を掘って作ります。

巣材は植物の葉や根、茎を用いて唾液でそれらを固めて椀型の巣を作るのです。

その巣のなかに真っ白な卵を2–3個産んで育てます。離島などでは、巣は海藻から作られることもあるようです。

ちなみに、食用にされる”ツバメの巣”は、アマツバメ類ではなく、アマツバメ科のアナツバメ類の巣のことを指します。

繁殖地の近くを飛行するアマツバメ達。

驚くほど長い子育て期間?!

ヨーロッパアマツバメでの研究結果から、抱卵期間は約20日、育雛日数は40日近くと、他の鳥類と比較してもゆっくりと雛を育てあげることがわかっています。

この長さは天候にも左右され、悪天候が続く場合さらにその期間は延びるのです。

天候が悪ければ親鳥は餌をなかなか集められなくなり、雛は絶食に近い状態まで追い詰められることがあります。

そのような場合、アマツバメの雛はある種の仮死状態で親鳥の到着を待つことができるのです。

親鳥は何日間も高空で餌を取り続けます。そのときには、餌を団子状にして、喉に蓄えて雛のもとに運ぶユニークな生態をもっています。

高空で餌をとるというアマツバメの特殊な生態に対して、雛も同様に特殊な進化をしているのです。

パーティ好き?

飛行するアマツバメたちは、ときたま20–30羽ほどが集まって鳴き交わす様子が見られます。

その集まりは「スクリーミングパーティ(金切り声を出す集団)」という名で呼ばれています。

その意義については未だ解明されていませんが、情報交換などに役立っている可能性があるようです。

動画の後半に集団で飛行する様子が収められています。

アマツバメの分布

英名がPacific Swift(太平洋のアマツバメ)であることからわかるように、

アマツバメの繁殖域は日本や中国、極東ロシアにまたがります。

日本でアマツバメは夏鳥で、冬には見ることができません。

渡りと越冬

アマツバメたちは秋になると南への旅を開始します。

越冬地は赤道直下のマレーシアや、さらに南のオーストラリア大陸周辺です。

マレーシア周辺に到着する時期は早く、10月頃には赤道付近に到着します。

上空を時速100kmほどの速さで飛行することができますから、日本を出発してから1週間もかからずに到着できたりするのかもしれません。

アマツバメは何を食べているのか?

アマツバメは上空で何を食べているのでしょうか。

異内容物の研究結果から、ハナアブ、ガガンボ、カ、ゴミムシなどの空中を漂う昆虫を食べることがわかっています。

また羽をもったアリも盛んに食べることがわかっています。

虫たちは上昇気流にのって上空に舞い上がることが知られており、そうした昆虫が通年アマツバメにとって重要な資源になっているのです。

名前の由来

「アマツバメ」という名前は文字通り、

雨が降ると見られるようになるツバメ類という意味です。

しかし今では、アマツバメはツバメとは全く異なる仲間(系統)であるということが明らかになっています。

アマツバメは天候が崩れると数千メートルの高空から、私たちの生活から見えるような高さまで飛行する高度を下げるようですから、

和名は非常によく彼らの生態を表していると言えるでしょう。

鳴き声

ツリィィィイと鋭い声を発します。

群れで活動している場合には、互いに鳴き交わしたりします。

Xeno-cantoから鳴き声を聞く

鳥博士のメモ

飛行している様子しか観察機会がないアマツバメですが、

じっくりその生態を調べてみると不思議の多いとても魅力的な鳥であることがわかります。

アマツバメが高空でなにをしているかは現在のところ十分にはわかっていませんが、

たとえばGoProのようなカメラが小型化され、バッテリー性能も改善されることで、もしかすると今後もっと詳細に明らかになっていくかもしれません。

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トリハカセ
生粋の鳥好きで20年以上鳥をみています。
博士号(理学)を持っています。
専門的な知識とバードウオッチングの経験を生かし
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20代後半です。
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