MENU
  • Home
  • 野鳥図鑑
  • たのしみ方
  • 探鳥地
  • コラム
  • プライバシーポリシー
  • 免責事項
  • 運営者情報
WEB野鳥図鑑
  • Home
  • 野鳥図鑑
  • たのしみ方
  • 探鳥地
  • コラム
  • プライバシーポリシー
  • 免責事項
  • 運営者情報
WEB野鳥図鑑
  • Home
  • 野鳥図鑑
  • たのしみ方
  • 探鳥地
  • コラム
  • プライバシーポリシー
  • 免責事項
  • 運営者情報
  1. ホーム
  2. 野鳥図鑑
  3. 【オオマシコの生態図鑑】国内外の生息地・恥ずかしがり屋で意外にデカい・実は普通種?

【オオマシコの生態図鑑】国内外の生息地・恥ずかしがり屋で意外にデカい・実は普通種?

2023 12/25
野鳥図鑑
「お」 冬の鳥 日本 森林の鳥
2023-12-242023-12-25

最も人気だ高い赤い鳥、それはオオマシコではないでしょうか?

英名は「Pallas’s Rosefinch」つまり、バラ色の鳥です。日本国内で見られる個体数が多くはなく、憧れの鳥としても認識される本種ですが、生態を知れば見つける確率が上がるかもしれません!

トリハカセ

この記事では、博士号をもつトリハカセが、
謎に包まれたオオマシコの生態に迫ります!
興味のある項目を目次から選んでくださいね。

目次

オオマシコ入門編

オオマシコ | Pallas’s Rosefinch | Carpodacus roseus | スズメ目アトリ科マシコ属

レア度:☆☆☆☆☆★★★★★(5/10:稀に見られるが、数が少ない)

見られる季節:真冬

見られる場所:本州中部以北(北ほど多い)

見られる環境:主に冷温帯の落葉樹林・混交林

餌:主に穀物食

オオマシコは体長16–18cm、体重20–30グラムほどの小鳥にしては大きめの鳥です。

スズメの全長が15cm・体重が23gですから、野山にいればその大きさはそれなりに目立ちます。

都市部の公園や庭園、梅林などで見られることもありますが、基本的には山間部で生活する鳥です。

ベニマシコとは、その体の大きさや尾羽の短さ、嘴の大きさ、そして翼にベニマシコほどハッキリとした帯が現れないことから識別できます。

あわせて読みたい
ベニマシコの生態図鑑 | 羽がボロボロになるとイチゴ色になる鳥:実は珍しくないって本当?! イチゴ色をしたベニマシコは、身近で見られる数少ない赤色の鳥です。繁殖期にはイチゴ色から毒々しい赤色へと体の色を変えますが、どうやってその色を変えるのでしょうか?

オオマシコの生態

地域密着型の生活

eBird database より 紫色のところで観察の記録がある

オオマシコは極東だけに分布する世界的に珍しい種です。

主な繁殖場所は、ロシア東部やモンゴル北部に広がる針葉樹林です。

冬になると日本、中国、韓国など多少は温かい地域に移動し、越冬します。しかし、その数はそれほど多くはありません…。

上記のeBirdの記録をみると、その記録はカザフスタンやロシア北部、中国東部など広域にわたりますが、記録自体は少ないのがわかります。

あわせて読みたい
【アカモズの生態図鑑】残り200羽・亜種・生息地・モズとの見分け方・人口飼育・保全に貢献しよう 日本各地で繁殖するモズの仲間のなかで、最も珍しい種の1種が、アカモズです。かつての日本では普通に見られる繁殖鳥でしたが、現在の個体数はなんと200羽ほどだと見積もられています。そんなアカモズの生態や亜種を詳しく紹介していきます。
美しいオスの成鳥

多様な餌資源:種子だけじゃない!

日本で過ごすオオマシコの主食は植物の種子です。これはイメージ通りですね。

しかし植物のつぼみや果実だけでなく、時に葉(シュート)も食べることがあるようです。厳しい冬を生き抜く力はもの凄く強そうです。

また、繁殖期の主な餌は昆虫類です。巣のなかの雛がはじめて食べるご飯も昆虫であり、オオマシコが好きな種子が与えられるのは生まれて3日目から。最初は昆虫を餌として育つのです。

トリハカセ

餌の多さこそ、冬にオオマシコを探す重要なポイントと言えます!

繁殖期は高密度で

繁殖域内の幅広い環境で繁殖し、高山帯や、低木の雑木林、そして針葉樹林(タイガ)などに巣を作ります。

日本では高山帯のみに分布する針葉樹林であるハイマツでも繁殖するようです。

雌雄が協力し、4–5個の卵を約2週間抱卵し、さらに2週間の育雛を経て巣立たせます。

日本では稀に見られる程度の鳥ですが、繁殖期には1平方キロメートルに20個体が縄張りをもつという研究結果もあり、繁殖域内ではそれなりに見られる鳥なのです。

慎ましかやかな冬の生活

越冬期は、主に標高2500–1500mほどの雑木林や針葉樹林、落葉広葉樹林で生活します。

少数の個体はさらに低標高の私たちの生活圏で越冬します。その場所がまさに、都市公園や緑地なのです。

越冬期は数羽から十数羽の群れで生活しますが、採食時はあまりおしゃべりをせず、

マヒワやアトリと比べると移動時も静かです。それゆえ、発見するのはなかなかに難しいのです。

足元で静かに採食していると気づかないことがあります。
トリハカセ

越冬期にオオマシコが好む環境を知ることが、
自力発見への1番の近道と言えます!

放浪生活と当たり年

当たり年には大群が?!

オオマシコの生態の1つの特徴として、夏から冬にかけた渡りの距離が年によってばらつくことがあります。

言い換えれば、寒さが厳しい冬には観察のチャンスがあがります。

なぜかと言うと、一部の個体は餌が乏しい+寒さが厳しいという条件が揃うと、南への大移動することがあるからです。

ベニヒワやイスカといった鳥たちと同じように、あたり年がある鳥と言えるでしょう。

トリハカセ

とは言え、ベニヒワほど当たり年・外れ年ははっきりしません!

あわせて読みたい
【当たり年】イスカやベニヒワ、レンジャクの個体数が爆増する理由とは?気候変動が進行すると減る? 数年ごと、イスカやベニヒワの「当たり年」なるものが観測されます。各地で多数の個体が観察され、イスカの群れのなかにナキイスカを見つけたなんていう報告も多くありますが、どのような理由で「当たり年」そして「外れ年」は決まっているのでしょうか?

見つけるコツ in 本州

数羽の群れで行動します。若いオスの赤味はやや控えめ。

完全な自力発見を目指すのであれば、個人的なオススメは低地ではなく、山地で探すことです。

越冬生態のトピックで述べましたが、オオマシコの越冬場所は主に山地です。

北海道など、越冬域の北限に近い場所であれば低地でも十分にチャンスはありますが、本州では山地へ足を運ぶべきでしょう。

上信越高原、中部山岳域、阿武隈山地の周縁部など、標高700m以上の場所でチャンスが多いと思います。

山道沿いなどの日当たりが良く、種子がなる樹木が多い場所などを注意深く探しましょう。彼らは採食中、ほんとうにおしゃべりをしませんから…。

さらに初冬には標高2000m以上に多い一方、1–2月には標高1000m以下で見るチャンスも多くなる印象です。

また、Rhim et al. (2003)によれば、尾根と比較して、谷地形のような場所で観察チャンスがあるようです。

トリハカセ

厳冬期こそチャンスなのです!

鳴き声

なんども強調しますが、採食中のオオマシコは本当に静かです。。

しかし群れの声が森のなかから聞こえるなど、地鳴きを覚えておくことは、オオマシコを発見するために非常に重要になります。

地鳴きは金属音で「ツィー」という音です。シメの声に似ています。

しかし、シメよりも鋭く、少し高く、かつ音にバリエーションが多く、喋っている感が強いです。

あわせて読みたい
【シメの生態図鑑】分布・嘴色・餌・オスとメスの違い・個体数・鳴き声・生息地 ゴツすぎるシメ嘴の力は、なんと50kgにも及びます。そんな怖い鳥シメの繁殖は、実は可憐で複雑。日本でも少数が繁殖するシメの生態に迫ります。

日本で聞くことはまずない(僕も聞いたことがない)ですが、

さえずりは繊細かつ可憐です。1度は生で聞いてみたいですね。

ぐぜるオス。ところでなぜ飼育している…?

求む!オオマシコの生態研究

森のなかでも一際目立つ赤色。写真右上の椿の花と同等の赤さです。
トリハカセ

ややレア気味な種ゆえの問題かもしれません。

オオマシコの生態に関する研究は実は非常に乏しく、越冬期・繁殖期ともに生態に関する詳しい研究がありません。

IUCNによれば、個体数は現在安定しているとのことですが、今後その動態が急激に変化する可能性もあります。

詳しい生態や分布に関する情報は、いざ保全活動を開始するとなった際に不可欠な情報になります。

繁殖地での研究は日本人にはややハードルが高そうですが、越冬生態に関する理解が、今後多くのバードウォッチャーや研究者の手によって進められると良いですね。

参考文献
・清棲 (1978) 日本鳥類大図鑑. 講談社, 東京.
・中村・中村 (1995) 原色日本野鳥生態図鑑 陸鳥編. 保育社, 東京.
・真木・大西 (2000) 日本の野鳥590. 平凡社, 東京.
・ピッキオ (2002) 鳥のおもしろ私生活. 夫婦と生活社, 東京.
・大橋 (2003) 鳥の名前. 東京書籍. 東京.
・The Cornell Lab of Ornithology (2023) Birds of the world.
・IUCN (2023) The IUCN red list of threatened species.
・Tietze et al. (2013) Complete phylogeny and historical biogeography of true rosefinches (Aves: Carpodacus). Zoological Journal of the Linnean Society, 169: 215-234.
・Rhim et al (2003) Characteristics of bird communities between slope and valley in natural deciduous forest, South Korea. Journal of Forestry Research, 14: 221-224.

あわせて読みたい
【キバラガラの図鑑】 近年日本で越冬記録が増えている・繁殖・分布・都内でも? キバラガラの生態や分布を知ることは、自力発見の可能性を上げるかもしれません。キバラガラの日本における記録や、生態について詳しく紹介します。
あわせて読みたい
イソヒヨドリの生態 | お腹が赤くて青い鳥・都市部に進出している?海外では? 海岸を散策していると頻繁に出会うイソヒヨドリは、青色とオレンジ色が美しい鳥です。近年海岸から都市部に進出しているといった実態や、海外での生態などについて詳しく紹介します。
あわせて読みたい
【プロ・研究者が教える】初学者から中級者向けのオススメの野鳥図鑑【2024-2025】 書店には様々な図鑑が溢れ、どの図鑑の質が高いのかを判断することは容易ではありません。今回は野鳥観察を20年以上続けている研究者が自信をもってオススメする図鑑を❶識別部門(入門4冊) ❷生態部門(入門3冊) ❸長く使える部門(3冊) ❹写真撮影部門(1冊)❺漫画部門(1冊)に分けて紹介します。
野鳥図鑑
「お」 冬の鳥 日本 森林の鳥
ぜひシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする コメントをキャンセル

トリハカセ
生粋の鳥好きで20年以上鳥をみています。
博士号(理学)を持っています。
専門的な知識とバードウオッチングの経験を生かし
バードウオッチングの面白さ、生態の奥深さをブログを通して伝えます。
20代後半です。
詳しくはこちら
新着記事
  • 【対策を徹底解説】クマ怖いvs鳥見たい【安全に鳥見したい!】
    2025-05-08
    愉しみ方
  • Katayama et al 2024
    どんな鳥が増えて、どんな鳥が減ったの?―日本全国の鳥を12年間追った最新研究から見えたこと
    2025-05-06
    コラム
  • Mugimaki_eyecatch
    【ムギマキの生態図鑑】憧れの渡り鳥?見られる季節や場所・繁殖や越冬・識別点
    2025-05-04
    野鳥図鑑
  • 【クロガモの生態図鑑】生息地や分布域・海のグルメレポーター?・意外な繁殖生態
    2024-09-01
    野鳥図鑑
  • 【特別展「鳥」特集】国立科博を訪れる前に知っておきたい鳥の秘密|鳥の系統やゲノムってなんだ?
    2024-07-20
    コラム
カテゴリー
  • コラム
  • 愉しみ方
  • 探鳥地
  • 野鳥図鑑
目次
目次