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【ゴジュウカラの生態図鑑】広大な分布域・漢字が五十の由来・リフォーム職人?

2024 5/05
野鳥図鑑
「こ」 日本 森林の鳥
2024-05-05

森のなかを縦横無尽に走り回るその姿は忍者とも言えるゴジュウカラ。

頭を下に向けて幹を自由自在に移動できる生態は有名ですが、それ以外の側面は案外知られていないかもしれません。この記事では、忍者的側面以外の「謎な鳥」とも言える側面を書いていきます。

トリハカセ

この記事では博士号をもつトリハカセが、
忍者っぽい動きで有名なゴジュウカラについて紹介します。
興味のある項目を目次から選んでくださいね。

目次

ゴジュウカラ入門編

ゴジュウカラ | Eurasian nuthatch | Sitta europaea | スズメ目ゴジュウカラ科ゴジュウカラ属

レア度:★★★☆☆☆☆☆☆☆(3/10:適切な時期に自然がある場所で探すと見つかる)

見られる季節:周年

見られる場所:森林

見られる環境:主に落葉樹林を好むが、針葉樹林でもみられる。

餌:夏は昆虫、冬は雑食

ゴジュウカラは全長15cm、体重25g。スズメの全長が15cm、体重が23gですから、スズメとほぼ同じような体型です。

(北海道以外では)身近でみることはほとんどありませんが、少し深い森に入ると出会える小鳥と言えます。

1年を通して「奥山」とも言える環境にとどまる野鳥であり、日本の原生林を代表する鳥の1種とも言えるでしょう。

頭を下にして幹を歩きまわりますが、幹に飛んできた瞬間にもう頭を下にむけていたりするので、忍者というよりサーカス団の一員と言った方が良いかもしれません。

トリハカセ

日本全域に分布するたくましいヤツでもあります。

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ゴジュウカラの生態

分布域:ザ・ユーラシア

eBird database より 紫色のところで観察の記録がある

日本に広く分布する本種ですが、その存在感は大陸レベル!ユーラシア大陸であればほぼどこでも見れれます。

上記ebirdの分布図ではロシアにゴジュウカラが分布していないことになっていますが、実際には東西にわたって広く見られます。

その一方で、アメリカ大陸やオーストラリア大陸には生息しておらず、それらの地域のバーダーにとっては憧れの鳥かもしれません。

トリハカセ

ebirdの残念なところは、特にロシアにおける記録が薄い点です。
が国際情勢を考えるとしかたないのかも。

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森のなかの職人

森のなかを縦横無尽にとび回るゴジュウカラ

ゴジュウカラは1番の特徴的な生態は頭を下に向けて幹を登り降りできることですが、2番目と言えば、泥を使いこなす「職人芸」をここでは挙げようと思います。

ゴジュウカラは、樹木にあいた穴(樹洞)で繁殖しますが、自分では巣穴を掘れません。

そこで役立つのがキツツキ。彼らは繁殖やねぐらのために、コツコツと幹に穴を開けるわけです。

ゴジュウカラはそんな使い古された古巣を見つけると繁殖場所とします。ときには、相手がアカゲラなどの大型のキツツキだったとしても、巣穴をのっとってしまうこともあるのです。

アカゲラの古巣というと、ちょっとサイズ的に大きくゴジュウカラは過ごしにくそう。でも大丈夫!巣穴の入り口を自分サイズに泥や動物の糞で塗り固めてリフォームするのです。

トリハカセ

アカゲラの巣を奪えるのに、ヒガラやニュウナイスズメといった小鳥に巣穴を奪われることもあるみたいです。

工具を使いこなす?

Youtube BIRDER公式ch.より。嘴を上手に使うゴジュウカラの良動画です。

武器といいましたが、この武器を振りかざす相手は植物の種子です。

ゴジュウカラの嘴を上からみると、工具の「ノミ」のようになっています。

このノミを上手に使い、植物の種子を叩き割るのです。そして時にこの嘴はハンマーにもなります。

ゴジュウカラは木の幹に種子を埋めて食物を溜め込む「貯食」を行いますが、嘴をハンマーのように使い、トントンと種子を樹木の幹に叩き入れるのです。

トリハカセ

幹を逆さに降りられて、泥でリフォームできて、
さらに嘴は工具。器用な鳥ですよね!

夫婦仲良し

幹の表面をくまなく探します。まるで本当に歩いているよう…。

初夏、ゴジュウカラは巣に5−6個の卵を産卵します。18日間の抱卵はメスが行いますが、

オスは抱卵中のメスに餌を運び続けるのです。雛の孵化後、約20日の育雛期間もオスとメスが協力して子育てします。

巣立った後は、家族揃って一緒に行動するという、この鳥を知れば知るほど好きになる可愛らしいポイントです。

トリハカセ

この家族揃って森を練り歩く期間が、可愛いのです。

他種多様な餌メニュー

夏のあいだ、ゴジュウカラは主に昆虫やクモなどの節足動物を食べます。

虫は木の表面で「ついばむ」以外にも、飛びついたり、フライキャッチしたりと案外多様な方法で獲ります。

冬になると、植物の種子や果実も盛んに食べ、この時期には貯食した餌が大事になってきます。

またシジュウカラやヤマガラの混群に入ることもしばしばで、混群には家族や夫婦で一時的に参加しているように見えます。

九州と北海道には別亜種が

本州の亜種ゴジュウカラは、お尻のあたりがオレンジ色です。

ゴジュウカラは分布が広く、かなりたくさんの亜種が知られています。

遺伝子の解析(Päckert et al. 2020)によれば、ヨーロッパのグループ、ロシアのグループ、ヒマラヤのグループ、そして東アジアのグループに分けられるようです。

がHung et al. (2012) をみても、日本のサンプルが少ない…。さて、そんな日本における亜種事情です。

亜種キュウシュウゴジュウカラ

意外に知られていない亜種が、キュウシュウゴジュウカラです。

九州南部にのみ分布しますが、亜種ゴジュウカラと形態的な違いはほとんどありません。

トリハカセ

文献が見つかりませんでしたが、遺伝的な側面からもこの亜種は支持されるんでしょうか?

亜種シロハラゴジュウカラ

さて、次が北海道の亜種シロハラゴジュウカラです。

本土のゴジュウカラとは形態が異なり、お腹のオレンジ色が弱く、白っぽいのが特徴です。

この特徴はユーラシア大陸に生息するゴジュウカラと共通で、遺伝的にもカムチャツカ半島やフィンランドのゴジュウカラと近いようです。

トリハカセ

北海道にいったらぜひとも見たい鳥でしょう!

北海道にて、シロハラゴジュウカラ

鳴き声

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ゴジュウカラは、森のなかで「フィー!フィー!」と超大声でさえずります。

まだ寒く、ヒガラとコガラくらいしかさえずっていない時期から縄張りを主張し始めるのです。

また、地鳴きも他の鳥とまず間違えることはありません。「トゥトゥトゥ」とか「チュクチュクチュク」といった風にきこえる鳴き声を出します。

和名の由来:なぜ五十?

シジュウカラと似てるから?!

答えはYESです。シジュウカラと似てるけれどちょっと違うから「ゴジュウカラ」なんだとか。

そんなことある?!って感じですよね。でも、大橋(2003)によれば、そういうことだとか。

果たして、シジュウカラに似ていますかね…?

森林とゴジュウカラ

IUCNによれば、ゴジュウカラの個体数は現在安定していると考えられています。多少の森林の分断化は飛び越えてしまう(Matthysen et al. 1995)力強い生態のゴジュウカラ。

でも、森林の分断化は個体数の減少に寄与する可能性も議論されています(Bellamy et al. 1998)。

天然林が多く残る日本国内でゴジュウカラの減少が引き起こされるようなことが起こった場合、その理由を解明するためには、森林構造以外に着目した研究が必要かもしれません。

参考文献
・羽田 (1995) 野鳥の生活I. 築地書館, 東京.
・清棲 (1978) 日本鳥類大図鑑. 講談社, 東京.
・中村 (1988) 森と鳥と. 信濃毎日新聞社, 長野.
・中村・中村 (1995) 原色日本野鳥生態図鑑 陸鳥編. 保育社, 東京.
・ピッキオ (1997) 鳥のおもしろ私生活. 主婦と生活社, 東京.
・真木・大西 (2000) 日本の野鳥590. 平凡社, 東京.
・大橋 (2003) 鳥の名前. 東京書籍. 東京.
・The Cornell Lab of Ornithology (2024) Birds of the world.
・IUCN (2023) The IUCN red list of threatened species.
・Matthysen et al. (1995) Dispersal distances of Nuthatches, Sitta europaea, in a highly fragmented forest habitat. Oikos 72: 375-381.
・Bellamy (1998) The infuences of habitat, landscape structure and climate on local distribution patterns of the nuthatch (Sitta europaea L.). Oecologia 115: 127-136.
・Hung et al. (2012) Multilocus coalescence analyses support a mtDNA-based phylogeographic history for a widespread Palearctic passerine bird, Sitta europaea. Evolution 66: 2850-2864.
・Päckert et al. (2020) A revised phylogeny of nuthatches (Aves, Passeriformes, Sitta) reveals insight in intra- and interspecific diversification patterns in the Palearctic. Vertebrate Zoology 70: 241-262.

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生粋の鳥好きで20年以上鳥をみています。
博士号(理学)を持っています。
専門的な知識とバードウオッチングの経験を生かし
バードウオッチングの面白さ、生態の奥深さをブログを通して伝えます。
20代後半です。
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